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機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」 脚本:丸尾みほ

あらすじ
 カラバ基地に急ぐアウドムラと追うスードリ、ブラン少佐のスードリでは合流した強化人間ロザミア・バダムが上官に空を落とすエウーゴ撃滅を求める。一方、連絡員ベルトーチカ・イルマと接触したカラバは北上を続ける。先鋒のギャブランが接触し、カツがガンダムで出撃する。

Aパート:アムロ再び、ベルトーチカ登場
Bパート:カツの出撃

 舞台が地球に移ったので、冒頭に登場するのは悪の戦艦ではなく悪の航空機(スードリ)、ドロドロロローンといういつもの暗い音楽と共に登場するのはロザミア、「エウーゴが空を落とす」とか、ブラン相手に相変わらず電波な会話をしている。しかしこのブラン少佐、彼は屋内でもヘルメットを脱がないようだ。そして次はエウーゴ作戦会議。いつもの展開で、場所が宇宙から地球に変わっただけである。
 そこにやって来るのが複葉機に乗ったベルトーチカ・イルマ、ある意味ロザミアより危険な女で、トークも電波度もロザミアの上を行く。「クワトロは嫌い」と、さっそくアムロ相手に自己中トークを繰り広げる。実はどちらもコロニー落とし経験者である。その間にエウーゴを見つけたロザミアはギャブランで出撃する。

カオルのひとこと:ロザミアに加えてカラバのベルトーチカと、痛い感じの女性キャラが目白押し。「そういえば数年前に大戦争があった」ことを急に思い出したらしく(脚本家が?)、二人ともコロニー落としのトラウマに苦しむキャラになっています。が、戦争体験の具体的描写はなく、過去の経験に苦しんでいるのか、ただの妄想や幻覚なのか、観ている方にはよく分かりません。

前作ヒーロー、アムロを取り巻く奇妙な光景
 ブランク長いし、いまいち乗り気じゃないアムロと共にカラバに合流したカツはカミーユの使うマークIIに興味を持ち、ロザミアを見つけてガンダムで出撃する。カツは苦戦するがロザミアはその後出撃してきたクワトロやカミーユに袋叩きにされ、ギャブランは撃墜される。そして無断出撃したカツにハヤトの修正拳が飛ぶのだった。
 アムロに嫉妬するカミーユとカミーユに嫉妬するアムロ、そして囃し立てるカツやシャア(誰もクワトロと思ってない)という構図を見ると、これは軍隊の光景というよりは、制作者富野氏が属している日本サンライズのスタジオの光景なのだなと思わせる。しかし、ここには根本的な問題がある。

 この作品でシャアをシャアと呼んだのはナレーターと8話のキグナンくらいだと思うが、アウドムラの中ではもうクワトロ大尉はエウーゴの長者、人格者のシャアとして通っている。前作でのシャアの描写、クラウン以下の部下は平気で見殺し、マチルダの婚約者は殺害、ララァ以下のニュータイプは使い捨てというのを知っている古いファンは「どこが」である。彼が「いいもの」というのは、実はゼータ最大の謎である。

カオルのひとこと:かつての英雄の登場で、アウムドラは奇妙な空気に包まれます。というのもアムロが輸送船をぶつけた活躍はどこへやら、まったくやる気のないヘタレになっているからです。そんな彼がもどかしいカツ、英雄の登場が面白くないカミーユともはやガンダムをカミーユに取られたアムロ、ドロドロした感情が渦巻く、めんどくさい空気です。

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豹変したシャア、かつての策士は一体どこへ?
 ゼータのシャアにはファーストにあった冷徹さと凄みを感じない。今やエウーゴ一の人格者になっているクワトロ氏だが、アムロが逡巡しているのを心配するというのはシャアらしくない。アムロが不調なら心の中で舌を出してせせら笑うとか、わざとヘマをさせるとか、「君はいい奴だが、ガンダムと地球連邦軍がいけないのだよ」と言って謀殺する方が彼らしいといえば彼らしい。実際、ファーストのシャアはそういう男であった。なぜみんな忘れているんだろう?
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:ヒーローになりたいカツは無謀にもガンダムMk-IIで出撃。しかしアムロやカミーユのようにはいかず(カツはモビルスーツの操縦経験があるらしいにもかかわらず)、危うく撃墜されそうなところをカミーユに助けられます。一方アムロはいざ出撃となると急に体がすくんで動けない状態に。彼はどうもPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥っている様子。でも一番変なのはクワトロさんです。小林さんの指摘にもあるように、シャアだった頃とはすっかり人格が変わっていますが、ひょっとして記憶喪失にでもなっているのでしょうか? ファンはかつての策士のことを、忘れたわけではないのですが(だって一番インパクトのあったキャラですからね)

評点
★★ カツの無断出撃は意味不明(小林)
★★ 前作キャラへの違和感とネガティブな作風にうんざり(飛田)


関連レビュー「ZZ第15話 幻のコロニー(後編)」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 ヒカリ族に救世主に祀り上げられたジュドー、しかし教祖サラサの機嫌を損ねたため追われる身となる。そして、ムーンムーン教を宇宙に広めることを目指すサラサはゴットンと手を組む。ラサラはヒカリ教の御神体である古いロボット「キャトル」を始動して姉を改心させようと試みる。一方、新鋭艦ミンドラを受領したグレミーは新型モビルスーツ「バウ」で出撃する。

Aパート:ラサラ姉妹の秘密、ブライト捕まる
Bパート: ZZ始動、キャトル復活、エンドラ沈没

コメント
 冒頭からマシュマー達の母艦として活躍していたエンドラがついに沈んでしまったが、こんな時代錯誤なコロニーが墓場になったのは少し哀れ、泡沫キャラだったグレミーがだんだん偉くなっており、新型艦や新モビルスーツで登場するが、話のテンポが早いのでその辺あまり強調されずにポンポン進む。結局はサラサを教祖に祀り上げた老神主の「忘れられるのが怖い」というオチだったが、その割には美形のラサラとサラサ姉妹はもったいないキャラだった。制作者もそう思ったのか、この二人は一発キャラではなく後でまた登場する。沈みゆくエンドラからリィナを再びさらったグレミーには「いいかげん返せよ」と言いたいが、彼の目当てはあくまでもルー・ルカで、リィナはその人質なのだった。エンドラが沈んだので指揮官だったキャラがジュドー達の仲間に加わるが、正直、後の作風を考えるとこの路線で当面やってもらいたかった。それにしても御神体のキャトルは案外大きく、ガザCを一捻りするなど、実はサイコガンダムより強いのでは。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★★★  さまざまな要素が絡む複雑な話をうまくまとめている。


関連レビュー「ガンダムAGE第15話 その涙、宇宙に落ちて」脚本:日野晃博

あらすじ
 フリット編最終話、要塞に侵入したフリット一座はUE最終兵器と最後の戦いを繰り広げる。

Aパート:フリット対UE最強ロボ、グルーテック要塞侵入
Bパート: ヤーク・ドレの正体、アンバット崩壊

コメント
 最終決戦のUE要塞、自分の要塞なのに警備カメラが無いことが発覚、でかいUE最強ロボで広い要塞を探しまわるUEの司令官、一方、iPadを持ったグルーテックらはスイスイと要塞内を進んでいく。Xラウンダーの力に目覚めたフリットの前ではもはやUEは敵ではなく、戦闘中に回想シーンが浮かぶなど焦るUE司令官に対しフリットは余裕のよっちゃんである。それにしても最後の戦いまでゲームっぽい。というわけであっけなくボスキャラ、UE最強ロボはやられてしまう(やられる場所までゲームっぽい)。フリットは拳銃片手にユリンの仇を追う。一方グルーテックはガンダムにやられて逃げ込んだヤーク・ドレと対面する。そこでヤークからUEの正体、火星国家ヴェイガンの名と総統イゼルカントの名を教えられる。そしてヤークの自爆ボタンでUE要塞は崩壊する。崩壊する要塞から戦艦ディーバは命からがら逃げ去るのであった。そしてフリットは打倒UEを決意し、グルーテックは逮捕されて反逆罪で刑務所に放り込まれる。
 ツッコミどころは満載なのだが、あえて言わないのが良い感じで、次回からは25年後のフリットのガキ、アセム編が始まる。UEの正体が火星人だったというのは筆者にも意外だったが、実はこのプロット、ファーストガンダムが終わった当時では珍しくもなんともない、筆者などには懐かしささえ感じるものなのだった。最初のガンダムが終了した直後、これに比肩する作品がなかったために、実は続編を望む声は早くからあった。それに応えたのは本家のサンライズではなく、実はガチャポンの世界の小事業主たちで、実は滅びたジオンを凌ぐ火星の大帝国はその筋ではポピュラーなものだった。ガチャポン帝国はおよそ三〇年後に復活したわけだが、さて、この先どうなるか。
 筆者的にウウムと思う場面はウルフが息も絶え絶えのUE兵からペンダントを受け取る場面である。いまわの際のセリフとか、何かあれば良いものを、この作品はスクリーンセーバー編と同じくBGMで流してしまうのだ。書いている人は実はそういうのが苦手なんじゃないだろうか。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★★  ツッコミどころは満載、ノリで見れば悪くない。


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第15話 帰還限界点」
脚本:大野木寛

あらすじ(人類滅亡まで298日・ドメル包囲網に12日)
 霊感体質の百合亜はミレーネルの攻撃を境に人格が一変する。ドメルはヤマトがビーメラ星に向かうと予想し、罠を張ってヤマトを待ち受ける。大艦隊に包囲されたヤマトは絶体絶命の危機に陥る。

Aパート:オルタリア攻撃、デスラー暗殺未遂
Bパート:ドメルの包囲攻撃

コメント
 前々話でガミラスの地球確保の切迫性は2199では否定されたので、冒頭はガミラスにとってはありふれた星、地球型惑星オルタリアの壊滅映像である。しかし、気まぐれでガミラス侵略の大義を葬ってしまったことはこれを見ている視聴者よりスタッフの方に有害だったようで、以降の話は説得力のないグダグダなものになっていく。ヤマトがビーメラに転進したことを知ったドメルは星系に罠を張るが、運の悪いことに同じ頃、ドメルの妻エリーサは反政府勢力に加担した罪で親衛隊に逮捕されるのだった。ヤマトをこんな所で撃沈させるわけにはいかないというスタッフの深謀遠慮である。そういうわけで、ヤマト撃沈寸前まで追い込んだドメルは本国からの命令で退却してしまう。
 スタッフとしては頑張ったつもりのヤマト包囲作戦だが、冥王星の時もそうだったが、あれだけの集中攻撃にしてはヤマト周辺に飛来するビームが少なすぎる。また、砲撃も乱雑に撃っている感じで、ハッキリ言って、あまり怖くない。本当にこういう映像を作るならビームなどは見ていておっかなくなるほど整然とした一斉射撃を浴びせるとか、ヤマト周辺にバンバン着弾させるとか、爆炎で艦が見えなくなるほどの砲撃であるはずである。作っている人は軍事ヲタクという話だが、こういう映像を見ると、ホント、知らないんだなとため息が出てしまう。
 力こぶを入れた軍事作戦としてもおかしいのは、ヤマト転進を知ったドメルが包囲網を張るだけで転進の理由を推測しなかったことである。また、ヤマトの方もビーメラに立ち寄らなければ乗員が全て餓死するといったほどの危機でもなかったことから、包囲を知ったら再びワープして逃げればそれで良かった。また、偵察艦が攻撃に出るということは本隊の存在あってのことなので、実はこの時点でドメル包囲網は回避可能だったのである。原作の真田だったらたぶん、そう進言しただろう。 (レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:ビーメラ星で食糧補給のつもりがドメルの大艦隊と遭遇してしまうヤマト。好戦的な本作の沖田は迷うことなく突撃し、デスラー暗殺?の虚報がなければここでお陀仏だった。 

評点
★★★ 絵としては力が入っているが、話自体は平板。(小林)
★★★ 盛り上がっただけに、このラストは残念だ。制作陣のご都合主義に、合掌。(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第15話 飛べ!トワサンガへ」

あらすじ
 トワサンガに向かうメガファウナとサラマンドラではラライヤが地球降下の事情を語る。ドレッド艦隊のマッシュナーはベルリらに追撃を仕掛ける。

Aパート:ラライヤの使命、マッシュナー艦の追撃
Bパート:メガライダー対ミーティア、トワサンガ入港

コメント
 発狂少女から正常化したラライヤの言葉でトワサンガはドレッド家とレイハントン家の二家があり、前者はフォトン・バッテリーの技術を広め、後者は技術を独占してヘルメス財団に預けたことが明らかになる。後者はすでに滅亡し、地球に降下したラライヤの使命はその生き残りを探すことにあった。Gセルフはトワサンガ軍で不採用になった試作機で、持て余してラライヤらに与えられた機体だが、そんな代物でないことはこれまでの作中描写で明らかなので、これは追々明らかになるのだろう。
 で、ベルリらを追撃するマッシュナー隊のロックパイが乗っているのはZZのメガライダー(アリンカト)、他にもたぶんあるが、今さらいちいち挙げない。で、メガライダー対ミーティア(アサルトパック)の戦いは例によって痛み分け(ミーティアやや勝ち)に終わる。なお、追撃隊のロックパイは攻撃してくるGセルフは仲間のラライヤが操縦していると思い込んでいる。で、マッシュナー隊を蹴散らしたベルリとクリムはトワサンガに到着するが、どうもここも政府軍と反政府軍が別れて抗争しているようだ。ベルリには何か秘密があるらしく、面会したラライヤの姉は彼の姿に驚く。なお、一緒にトワサンガに向かったはずのマスクはどこにいるか分からない。
 レビューはストーリー解説ではないと思うので、見れば分かるような内容は説明せずに済ませたいと思うのだが、この作品の場合、見ても分からない内容が多すぎるように感じている。制作指導には後出しジャンケンに近い卑怯さが感じられ、世界観とか何とか普通ならこだわる部分にこだわることもバカバカしいと感じる。キャピタルに宗教的権威があるなら、序盤のベルリ救出など外交交渉で片付ければ良いではないか。
 先に交渉作法の話をしたが、交渉というものは互いに共通する基盤を尊重して行うものであるという考えに立てば、ルールを説明しない制作者の姿勢はアンフェアで、これでは視聴者を説き伏せる以外に方法がなく、そんな話が楽しいはずがない。あと、ミーティアが完全に撃破されなかったのは、10年前のガンダムSEEDのプラモデルは今だにクリスマス商戦の売れ筋で、これは販売政策上、メガライダーなんぞに負けてはいけなかったからである。
(レビュー:小林昭人)

スコード教:作品の登場人物のほとんどが信仰しているキャピタル首都を総本山とする世界宗教。法王がおり、宗教的権威として君臨しているが、発祥の地は金星のビーナス・グロゥブのようであり、ラ・グーのヘルメス財団とは何らかの関係があるようであるが、両者の行き来はほとんどない。フォトン・バッテリーの分配という世俗的権益もあることから、これはヘルメス財団が過去の戦争で荒廃した地球復興の条件として定めた内容が独自の発展をし、宗教化したものと見るのが妥当である。そのため信者はトワサンガも含め全地球圏に及ぶが、ヘルメス財団やジット団の信者は見られない。技術進歩を禁ずる「アグテックのタブー」以外に教義らしい教義はなく、また、独自の生活上の慣習もない。スコード教の法王は祭政一致の存在で、また、その施政から各地で差別されていたクンタラを集め労働力として利用すると同時に保護していたことが伺える。元はビーナスの官吏と思われるベルリ家など除き、出自や家柄で差別はしていないようであり、トワサンガからの流れ者であるクンパ大佐なども要職に就けるなど、「神(信仰)の前の平等」が徹底している様子が見られる。スコード教法王は作品全般を通じて善意の人として描かれている。信仰の形態から察するに教義はプロテスタントに近いが、作品の描写はローマ・カトリックであり、教団のシンボルも十字架となっている。

評点
★★ 物語が佳境に入りつつあることは分かるが、どの描写にも重みがない。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第15話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第15話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第15話紹介
An another tale of Z 第15話「アーガマ入港」(本編)

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