MUDDY WALKERS 

An another tale of Z

 Zガンダム 比較レビュー →ZZレビュー →ガンダムAGEレビュー
 →ヤマト2199レビューGのレコンギスタレビュー

機動戦士Zガンダム第12話「ジャブローの嵐」 脚本:平野靖士

あらすじ
 ジャブローに降下したエウーゴは守備する連邦軍の抵抗を受ける。意外と脆弱な抵抗にクワトロはジャブローの放棄を疑う。一方、ジェリドと戦いつつ、ニュータイプ能力でレコアの存在を感知したカミーユはジャブローでレコアとカイを救出する。

Aパート:ジャブローに降下するエウーゴ
Bパート:レコア救出、ジャブロー破壊

 降下作戦で死んでいく兵士や動物にいちいち気を遣うのはカミーユが少年であることに気を遣った演出だが、冒頭から一言多いこの少年、「出てこなければ死ななかった」とか、「抵抗すれば死ぬだけだ」とかターミネーターもかくやという自信過剰な台詞を連発してハイザックを殺戮していくのはこれまでの話でも頻出しているので何を今さらという感じ。

カオルのひとこと:ジャブローに侵入するカミーユのガンダムを追ってくるジェリドは、ティターンズがこの基地を放棄して核爆弾で木っ端みじんにする計画を知らなかったようです。ジャブローの地下で繰り広げられる二人の戦いは、いつも通りの展開に。

オタク向け作画だが本筋はいい加減
 この話ではそれまでプラモデルは実在していたものの画面に登場することはなかったMSV(モビルスーツ・バリエーション)が揃い踏みで登場するが、そこまで出すならMSV専属キャラといえるジョニー・ライデンとかシン・マツナガも出して欲しかったと思うのは筆者だけだろうか、全般的に「使ってやった」感の強い登場で、これら型落ち機は為す術もなく百式(こういう敵には無敵らしい)にやられてしまう。その百式もエウーゴの面子の中でジャブロー経験者はシャアだけだのだが、その伏線が生かされた様子は見えない。ジャブローは引越し中で、地下には核爆弾が仕掛けられていたのだ。
 この辺の話、後では説明されなかったので、そもそも空き家のジャブローをなぜエウーゴは知らずに攻撃したのかとか、待ち伏せとしか思えない核の存在などエウーゴの作戦が漏れていたのではないかと疑われるが、それだったらジェリドを初めとするティターンズのかなりの戦力を地球に降下させることもなかっただろう。

カオルのひとこと:一方じゃブローの抵抗が手薄であることを訝しむクワトロは、地下150mにセットされた2基の核が35分後に爆発することを知り、引っ越し用に用意してあったガルダ輸送機にエウーゴのMSを詰め込んで脱出することに。カミーユが例の異常な勘でレコアを探し出すのは予想通りなので、安心して観ていられます。なんなら眠っていてもいいくらいです。

 唐突感があったのはジャブローに駐機していたガルダ輸送機の存在、戦艦アーガマほどの大きさのある巨大飛行機は聞けば「引越し荷物搬送用」で、特にエウーゴのために用意されたものではないし、その説明もなかった。何かご都合主義的にそこにあった感が拭えず、また、そんなに良いデザインでもないために「これはできすぎだろ」と言いたくなる。
 あと、この回では後々まで語り草になった「辱めのレコア」の話、カイの様子を見る限り、「せいぜい身体検査」くらいの話だと思うが(普通は女性がそういう目に遭ったことを知ったら目を伏せるなり横を向くなりするものである)、この話には後に尾が付きヒレが付き、「レコアジャブロー陵辱説」に発展し、後の彼女の裏切りにつながるのだった(想像力過剰だろう)。

細部のこだわりや遊びが虚しい
 辛くも核を逃れたエウーゴは地上部隊カラバの支援を受ける。ガルダを誘導するハヤトが搭乗していたのはXB−70「バルキリー」、又の名を「格納庫の女王」という仇名の米空軍の戦略爆撃機の試作機で、実物はひどく気むずかしい代物だが、この話では普通に飛行している。ほか、ジャブローを逃れる連邦軍兵士の幾人かにこれはスタッフという顔が多くあったが、通常では微笑ましいこの種の遊びは、これで二度目だが作品がまともである限りにおいて行う権利のあるものである。
(レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと:というわけで、ジャブローに侵入して核爆発の脅威からレコアとカイ・シデンを救出する、というミッションが無事終了しました。というか、当初の目標はティターンズ基地の殲滅だったはず。レコアがカイからジャブローが引っ越したと聞いた時点でエウーゴに連絡すればもぬけの殻の基地を攻撃することもなかったのに、連絡手段を何も持っていなかったレコアのミス、なんでしょうか。この大作戦は大失敗、しかも大きな謎(誰が何の目的で核を仕掛けたのか?)を残しましたが、キノコ雲を後ろに見ながら去ってゆくガルダ輸送機に乗ったエウーゴの面々から、何の感慨も漏れてこないのが不思議です。

評点
★★ 肩透かしの話、バルキリーは要らない(小林)
★★ 目先の出来事だけ追いかけて本流を見失ったお話(飛田)


関連レビュー「ZZ第12話 リィナが消えた」脚本:鈴木裕美子

あらすじ
 「あの女はモビルスーツのコクピットに座ると興奮するような安っぽい女なんですよ!」嘆願するグレミーを後にマシュマーが更迭され、年増のキャラがエンドラの新指揮官になる。偵察中に遺棄されたザクを発見したジュドーはジャンク屋魂が目覚め、偵察を放り出してザク回収にのめり込む。そして、ジュドーの代わりにラビアンローズに向かったルーとリィナは先に到着していたエンドラに見つかってしまう。ジュドーらは応戦するがダブルゼータへの合体を阻止しようとするグレミーらに苦戦する。そこにザクの頭を付けたゼータガンダムが現れる。

Aパート:マシュマー更迭、キャラのラビアンローズ襲撃
Bパート:ゼータザク登場、ハイメガ砲、リィナさらわれる

コメント
 グレミーのマザコン疑惑が発覚し、ZZの超兵器ハイメガキャノンが炸裂する回。この兵器はどう見ても宇宙戦艦ヤマトの波動砲に見えるのだが、ダブルゼータは合体するとどうも身長まで大きくなるらしい。ゼータで言えばサイコガンダムくらいの大きさである。が、一度も名乗っていないのに、ダブルゼータという名前も敵方には知られ渡っているようだ。そして、合体阻止の戦いの最中に現れ、「ジオンのザク!」、「よく見ればいいかげんなモビルスーツ」、応急修理でザクの頭を付けて出撃し、敵味方双方の袋叩きに遭うイーノのゼータザクだが、その間にダブルゼータガンダムは三機合体に成功する。結構燃える展開である。あと、この話で主人公の妹リィナがグレミーに捕らえられる。ゼータに比べれば進行も良く、娯楽作品として十分良くできた話。やっぱり富野はいない方がいいが、そのうちそうはいかなくなるのだった。(レビュー:小林昭人)

評点
★★★★  相変わらず良くできている、娯楽作品として十分。


関連レビュー「ガンダムAGE第12話 反逆者たちの船出」脚本:木村暢

あらすじ
 反逆者グルーデックを匿って逃げるように出航する戦艦ディーバは連邦軍の戦艦に捕捉される。睨み合う戦艦ディーバと連邦軍にUEの大艦隊が襲いかかる。

Aパート:ディーバ出港、グアバラン登場
Bパート:UE登場、ディーバ逃げる

コメント
 2週間も放映しないと番組を忘れてしまうガンダムAGE、前話から連邦軍の艦長(グアバラン中佐)が囓っているのは犬用ジャーキー(だと筆者は思っていた)ではなくチョコバーだと分かるオープニング、無駄に策士(解説しても良いが面倒くさい)のこのグアバラン中佐との駆け引きで番組3分の2が丸々潰れる。番組の過程で「Xラウンダー」という特殊能力が明らかになるが、「ああ、やっぱりピタゴラスイッチの信者だったか(>日野)」というわけで、それだけの話。
 それにしても12話に至るまで地球も月も一度も映らないのだが、まさかこの番組ではコロニーがあるのが地球の周辺ではなく本当にアルファ・ケンタウリ星ではないだろうか(ありそうなのは地球のラグランジュ点である。また、ハビタブルゾーンの圏内なら人工惑星でも1万年くらいは問題ない)。ついでに書くと筆者はこの作品、まだ一度も4つを付けていない。
 それと聞いた話だが、多少はスタッフにも読まれているらしいこのレビュー、バカな人は人のアドバイスをムダにするから困る。次の話もまた人死に話のようだが、1シリーズ10話くらいのこの小品、そんなものに頼っていてはいけないぞというのは、前回だか前々回だかで私がちゃんと忠告した内容である。私だってガキ向けとか好みとかの問題はひとまず置き、評価はちゃんと付けているのだから、人の忠告の逆をやるという天邪鬼みたいなマネはヤメロと書いておく。少なくとも私の知る限り、私の忠告を無視してロクな目に遭った制作者なり作家なりは今もって一人もいない。半分頭を止めて書いているこんな文章でも、私は見るところは見ているのである。 (レビュー:小林昭人)

評点
★★★  センス悪いと思うが、お子様向けならそこそこ見れる話。


関連レビュー
「宇宙戦艦ヤマト2199第12話 その果てにあるもの」
脚本:出渕裕

あらすじ(人類滅亡まで318日・異次元断層脱出から7日)
 メルダによる地球先制攻撃説は古代と島の間に亀裂を生んだ。一方、総統デスラーは名将ドメルを召喚し、ヤマト討伐の任を命じる。

Aパート:ドメル叙勲式、古代と島の対立
Bパート:森雪のヌード、潜宙艦登場

コメント
 ヤマト討伐のためにドメルが召喚されるのは原作通りだが、その背景はずいぶん異なっている。2199のドメルは辺境でヤマトより遙かに強そうなガトランティス帝国と戦っており、それをわざわざ呼び戻して地球の田舎戦艦ヤマトを討伐させる理由が薄弱である。原作の場合は、ヤマト撃滅には移住先地球を巡るガミラスの命運を賭けた事情があった。総統デスラーは二度に渡り自ら立案した作戦でヤマトを葬ることに失敗しており、シュルツも戦死したことからガミラス軍の切り札といえるこの将軍を召喚したのである。
 が、2199のデスラーはヤマトには一度挑んだだけで、次元断層の戦いではドメルより劣るゲールの指揮でさえヤマトは遁走を余儀なくされている。シュルツの戦死は元より彼にはヤマトに対抗できる艦隊戦力が与えられていなかったし、さらに言うならメルダの言う通りガミラスは大帝国で、地球との戦いは別に帝国の死命を制するものではないことがある。そもそもドメルを用いるなら、彼は田舎戦艦など相手にさせずに、堂々と艦隊で進撃してヤマトの母星地球を制圧すれば良かったではないかとなる。
 ヤマト側は古代に思いを寄せる山本に対する森雪の陰険さがクローズアップされている。思わせぶりな言葉でチクチクとライバル排除に勤しみ、その間に妖艶なポーズで古代を誘う彼女こそは「魔女」とか「悪女」という言葉が似合いそうな感じだが、ヒロインをこんな風に「ヤな女」に変えてしまったことが、この物語の作劇にどれほどのダメージがあったのか、作っている人間はどうも分かっていないようである。 (レビュー:小林昭人)

カオルのひとこと: 原作のドメルは、小賢しいゲールへの容赦ないパワハラが痛快だった。本作のドメルはまともな人そうで味気ないが、なんか、いろいろデスラーに不満ありげで興味深い。

評点
★★ ガミラスの内情に尺を割いた点は評価するものの、全般的にGdGdな話。(小林)
★★★ デスラーの周囲に不穏な動き? 展開に期待して+1点。(飛田)


関連レビュー
「Gのレコンギスタ第12話 キャピタル・タワー占拠」

あらすじ
 先の戦いで傷ついた船体を癒しつつ、キャピタル・タワーの頂上「ザンクト・ボルト」に向かう戦艦メガファウナ、一方マスクはアメリア艦隊を襲い、ベルリはアメリアに加勢する。

Aパート:アサルトパック登場、マスクのアメリア艦隊攻撃
Bパート:マスク対ミーティア、アメリアのザンクト占領

コメント
 今日のGセルフの装備は先に書いた「アサルトパック」、先に書いた通り「ガンダムSEED」の装備で、例によって自分以外のロボットアニメが嫌いな富野は先の高トルクパック同様ボロクソにけなしている。一方クリムの艦隊ではアメリア軍がそれまでタワーを占拠できなかった理由が明らかになる。スコード教はアメリアでも信者が少なくなく(アメリカのリベラル派)、聖地ザンクトの攻撃は身内の反対も少なくなかったことがある。「近づくと悶え死ぬ」とか、「祟りがある」など、アメリアのスコード信仰はほとんど迷信の域になっており、クリムを呆れさせる。
 正直、思うのだが、二〇年ほど前に筆者が大学で討論術の講座を受けた時、ハーバード大学の教官は「交渉はウィン・ウィンで」と筆者に教えていた。橋下徹のようなやり方、一方的に相手を論破とか不意打ち、叩きのめすような交渉の仕方は避けられていたのであり、当時はクリントン政権の時代だった。が、その後にブッシュ政権の時代になり、9・11があり、イラク戦争があったりで、アメリカではティーパーティー、日本ではネトウヨが自民党の公認のもと幅を利かすに連れ、筆者も教義を放棄して拳を振るわなければならないことが一再ならずあった。
 互いに傷を負い、利のない結果になることが分かりつつ、相手を叩くのは筆者にとっても本当は嫌なことである。昔の宗教戦争のように、争う目的が無意味化するまで戦い続けなければならないのだろうか、我々はそれほど愚かな存在ではなかったはずだがと思いつつ溜息をつく、争いは争いしか呼ばない。橋下がルール違反の作法を用いれば、相手は「それなら」と、もっとルール違反のやり方で応戦してくる、戦いとはそういうものだ。だから自制が必要なのだ。在特会のやり方だって、終盤では暴力の応酬、暴動寸前まで行ったではないか。
 何はともあれタブーを破ったアメリアの艦隊は第4勢力トワサンガの攻撃を受ける。元々アメリアの軍事力はガード部隊のキャピタルにすらテクノロジーで劣っていた。トワサンガの戦艦はアメリア艦を易々と撃沈し、紛争は拡大の気配を見せる。
(レビュー:小林昭人)

アメリア大統領:北アメリカ大陸にある超大国アメリアの指導者、東側の大国ゴンドワナとの抗争のため、国防長官グシオンを使いキャピタル・タワー(フォトン・バッテリーの荷揚港ザンクト・ポルト)占領を画策する。エネルギー資源に対する執着は国防長官をも上回り、作戦失敗後も執拗にタワーを狙い続ける。海賊部隊のエース、クリム・ニックの父親だが、姓が異なることからクリムは私生児と思われる。最後の戦いでクリムが戦死した後、復旧戦を名目にキャピタルへの全面戦争を画策するが、実は生きていたクリムによって殺害され、その野望は途中で潰えることになる。スコード教の信者であるが実際は無宗教に近く、独自のアメリア帝国主義を信奉する覇権主義者。クンパ大佐によりヘルメスの薔薇の設計図に触れたことにより、その野望を実現する技術的ノウハウを入手した。ある意味、物語の全ての争乱の元凶。アメリアにはクンタラがほとんどいないことから、同国でのクンタラ迫害にも加担していたと思われる。

評点
★★ トワサンガの出現で話にやや緊張感が生まれる。


その他のZレビュー
「機動戦士Zガンダム回顧録」 Z第12話レビュー
「パラレルユニヴァース」 Z第12話レビュー


関連リンク
An another tale of Z 第12話紹介
An another tale of Z 第12話「タイタンの戦い」(本編)

<<BACK  NEXT>>

 MUDDY WALKERS◇